▼asahi.com(朝日新聞社):新型インフル、東京・川崎の女子高生2人感染 NY帰り - 社会
東京都と川崎市は20日、それぞれ1人ずつ新型の豚インフルエンザの感染者が確認された、と発表した。関係者によると、2人はいずれも川崎市内にある洗足学園高校の2年の女子生徒で、ニューヨークでの行事に参加し、19日に帰国した。八王子市の生徒(16)は同市内の東京医大八王子医療センターに、川崎市の生徒(16)は市立川崎病院に入院した。都と市は2人と接触した人たちの健康調査を行う。
やっと海外渡航者から感染者を見つけられてよかったね、という話か?
これで明日から関東でも続々感染者が「発見」されるのだろうか…??
HIVの「最初の感染例」として「米国在住の日本人男性同性愛者」を見つけるまで、血友病患者のHIV感染を見送った事例を思い出させますね。
▼asahi.com(朝日新聞社):マスクが買えない 薬局空っぽ、ネットでは高値取引 - 新型インフルエンザ特集
「マスク・パニック」のような状況が起きている。神戸で新型の豚インフルエンザの国内初感染が確認された16日から、兵庫、大阪を中心に店頭から消え始め、品薄地域は一気に全国に拡大した。入手方法はあるのか。入らなかったらどうすればいいのか。
ということで、 WHOは「健常者にマスクは必要ない」と再三アナウンスしている。
もちろん、「してないよりしている方がマシ」かもしれないということはあるのだが、本当に必要な人に行き渡らなくなるようでは問題であろう。
組織によっては、強毒性のトリ・インフルエンザ用にストックしてあったマスクを放出するかどうか決断を迫られているところもあるという話を聞いた。
政府はもっと強く、「マスクを持っていない人は、そのままで。そのかわり手洗い奨励」ということを言うべきであろう。
(※ちなみに、うがいの効果も怪しい部分があると思うが、 WHOはこちらを無駄とは強調していない。誰が何回うがいしようと、他人のリソースを奪わないからであろう)
▼asahi.com(朝日新聞社):濃厚接触者2900人 感染者57人聞き取り 厚労省 - 新型インフルエンザ特集
厚生労働省は19日、神戸市や大阪府で新型の豚インフルエンザに感染した57人の患者について聞き取り調査をしたところ、家族や学校関係者ら濃厚に接触した人が延べ約2900人にのぼったことを明らかにした。患者と最後に接した日から7日目までの自宅待機を要請しているという。
特に接触が濃厚だったとみられる一部の人については、本人の同意の上で抗ウイルス薬を予防的に使い始めた。
個人的にはこのニュースが最悪だと思う。
たぶん、ウィルスも増え方という意味では細菌などの生物とあまり変わらない動きをすることが想定されるであろう。
であれば、抗ウィルス剤の大量投与は、耐性ウィルスの出現可能性を増大させてしまう可能性が高いと推察される。
もちろん、これについては行政に対して同情する部分もあって、たぶん弱毒性のパンデミックに対する一番よい対応は「社会活動は縮小し、患者は(望むらくは自宅に)隔離し、ただし治療は極力しない」というものだが、それは社会一般が納得しない可能性が高い。
(待合室で二時間待たされたあげく、簡単な検査だけされて「水分を沢山取って、家で寝ていてください」と言われるだけでは「すごく損した気分になる」という市民感情も理解できないわけではない)
ただ、日頃「政府負担を減らして、合理的な社会を」と訴えている(ように思われる)桝添大臣や他の自民党議員(および一部の民主党議員)は、こういうときこそ市民一般の説得に勤めるべきではないか?
母子家庭や障害者などのマイノリティに対するケアは「合理化」して、マス・マジョリティに対するケアはポピュリズム的に増大させる、というのは、あまり褒められた対応とは言い難い。