October 2005アーカイブ

Ashis Nandy @ Kyoto

 メーリングリストで案内を見つけたので、インドの社会学者アシス・ナンディ(デリー発展社会研究センター元所長)の講演を聴きに、ひさびさに京都大学に出かける。
 メールにはタイトル「『聖なるもの』の復活:宗教、暴力、民主主義のゆくえ」と、申し込みはいらないという趣旨のことだけが書いてあったので、わりと小さな集まりかと思わせるが、一方で「京都大学百周年時計塔記念館 1階 ホール」という、たぶん非常に大きな会場が押さえられていておかしいなぁ、と思いながら出かける。



Ashis Nandy @ Kyoto

 案の定というか、実はこの講演、京都文化会議という稲森和夫氏が会長、尾池和夫氏(京大総長)が副会長を務める巨大イベントのオープニング記念講演の一部であった。
 確かにナンディ氏はインドではガンジー主義系の学者グループの重鎮で、国際的にも著名な人物であるが、さすがに単体イベントとしてはこの巨大ホール(会場も予想よりでかかった)を埋めるのは不可能だろう。
 そういう意味では予想してしかるべきだったのだが、物々しい受付が設置してあったので、日を間違えたかと悩んでしまって、講演の最初を聞きそびれた。


Originally uploaded by KASUGA, Sho.
 滞納しまくっていた学会費を納入したら、3年分まとめて学会誌が送られてきた。
 うーん、どうせ読まないかなぁ、とか思ったり…。

 その間に、学会の名称変更に会わせて学会誌の名称も『民族學研究』から『文化人類学』に変わっていたのであった。

 経緯は「日本文化人類学会 学会名称変更について」参照。

 昨日の日記「彼らが釣り竿を持たなかったのではない。我々の驕慢が彼らの釣り竿を打ち砕いたのだ」で扱ったホワイトバンド・ブログの記事 「魚ではなく釣竿をあげる。」は削除されたようです。

 「ほっとけないキャンペーン」事務局の某氏から「チェック不足だった」というメールもいただきました。

 まぁ、とりあえずここは良かった(削除という方法が適切かは兎も角)ということにしておきましょう。
 しかし、やはりNGOサイドと、サイトをつくっている広告代理店サイドで、だいぶキャンペーンの方向性に関する認識に差がある上に、「ホワイトバンド・ブログ」などのインターフェイス部分は基本的には広告代理店が握っている、ということのようですね。
 ちょっとそのあたりはどうにかした方がいいというか、どうにかならないものか、というか…。

 今日のホワイトバンド・ブログ「魚ではなく釣竿をあげる」の主張はあまりに非道い。

 ほっとけない・キャンペーン全体やホワイトバンドの販売方法に問題があるのは事実ですが、年間予算規模100億円を超え、法律や経済の専門家を抱える欧米のNGOと、基本的にはシロウトの集まりで専従も満足にいない日本の運動とに同じクオリティを期待されても、と思っていました。
 しかし、今日のブログがホワイトバンド・キャンペーンの基本思想を表したものであるなら、私はこの運動は支持できないし、国際的なGCAP運動の一端を担うものとしてもまったくふさわしくないと言わざるをえません。

 ブログ曰く

小麦粉をあげる。
作り方を教える。
パン工場をたてる。
そして作ったパンを売る。
そのお金でまた小麦粉を買う。
つまり、ずっと続けていけるシステムをつくることは、
100個のパンをあげるよりもずっと効果的で、発展性があるんです。

 
 これはIMF/世界銀行であれ各国政府であれ、ずいぶん昔から言ってきたことです。
 そして、このお仕着せがましい啓蒙主義が失敗したことで、世界の貧困と環境問題は深刻さを増してきたのです。

 ちょっと雑談です。

 「ブログの要はパーマリンクである」で述べたとおり、ブログの要は記事ごとのパーマリンクだと思うわけですよ。
 だから、人の記事を2ちゃんねるに引用するのは大いに結構なのですが、カテゴリーじゃなくて、ちゃんと記事ごとに引用して欲しい。
 …カテゴリー・アーカイヴ消そうかな(笑)。

「【正義】打倒ホワイトバンドプロジェクト【中止】」 
 ここにリンクして欲しい→ 「ホワイトバンドを巡る議論についての覚え書き 1.ホワイトバンド・キャンペーンの国際的な背景」

「なぜビルゲイツは世界を征服できたの?」
 ここにリンクして欲しい→「米大統領選、(ほぼ?)終了 その2」

 あと、後者については若干言い訳する必要があって、マイクロソフトは極めて特殊な「IT企業」だし、その他の「共和党より」としてあげられているAT&Tやヴェライゾンのようなキャリアは基本的にはインフラ確保型の企業なので、基本的には記事中の「第一グループ」に属するのではないか、と。
 グローバリゼーションの星として知られた超大型ヴェンチャーであるワールドコムとかエンロンも、同様に共和党よりであったし。

 で、私が「第二グループ」として念頭にあったのはAppleとかGoogleとか、あるいはセレーラとかジェネンティックとか、そういうもうちょっと小型の小回りが勝負の新興企業だったわけなんですよ。
 …とかここで言い訳するのも格好悪い?

 ブログ、ごぶさたですが、どうも花粉症気味なこともあって、昼夜逆転したり、アタマがぼーっとしたりしています。
 Mixiで知り合いの日記にコメントしたんですが、自分で書いていてけっこう重要なポイントを説明しているような気がするので、こちらにも(多少書き加えたものを)アップしておきます。


 結局「ブログ」ってなんだってことなんですけど、「ブログ」の特徴というか、メリットと言える部分はたぶん、おおざっぱに言って4つあって、

1)Permalinkと呼ばれる、すべての記事に対する固有のURLが自動的に振られる。
2)RSS(Really Simple Syndication/RDF Site Summary)というサマリーを自動的に発行して、更新を通知できる。
3)トラックバック機能がある
4)コメント機能がある

 というものです。

 ETV特集「アフリカと世界と日本と」(NHK 8日22時から)はMDGsや国連サミットの問題を取り上げていた。
 若干ホワイトバンド・キャンペーンにも触れていたが、基本的にはアフリカの現状を分析するという趣旨。
 出演は「ほっとけない」キャンペーン賛同団体でもあるアフリカ日本協議会の林達雄氏や『アフリカは本当に貧しいのか』などの著作のある勝俣誠氏。

 「多中心(polycentric)世界社会フォーラム」の一つとして、2006年10月にバンコクで社会フォーラムを開催するための準備委員会が動き出した模様です。

 世界社会フォーラムが、2006年はいろいろな人々が参加しやすいように、世界各地で分散開催される「多中心(polycentric)世界社会フォーラム」になるということはすでにお伝えしました。
 これまで決まっていたのはカラカス(ベネズエラ)、カラチ(パキスタン)、バマコ(マリ)で、それぞれ2006年1月に開催されます。
 しかし、アジアはカラチ一カ所でやるには広すぎるという意見もあがっており、時期をわけてもう一カ所でやれないかという議論になっていました。
 候補としてはフィリピン、ヴェトナム、インドネシア、韓国などもあがっていましたが、最終的にフォーカス・オン・グローバルサウスの拠点でもあり、インフラも整備されたバンコクが会場となることが決定されたようです。

このアーカイブについて

このページには、October 2005に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブはSeptember 2005です。

次のアーカイブはNovember 2005です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.27-ja