December 2006アーカイブ

LA FONERA

 GoogleとSkypeの支援を受けたスペイン発のヴェンチャー、FONが日本上陸と言うことで、専用無線ルーターであるLa Foneraの無料キャンペーンをやっていた(送料+代引き手数料950円(税込)が別途かかる)。
 http://jp.fon.com/
 http://blog.fon.com/jp/
 さっそく申し込んでみたところ、昨日、到着。

 FONは、自分の家のネットワークに専用無線ルーターであるLa Foneraをつないで、FONメンバー用のアクセス・ポイントとして解放するというネットワーク・サービスである。
 このメンバー(フォネロと呼ばれるらしい)はLinus(ライナス)とBill(ビル)の二つのステータスを選ぶことができる。
 ライナスであれば、メンバーは世界中(といっても今のところ欧州と東アジアだけであるが)に広がっている同様のFONメンバーによるアクセスポイントに無料で接続できる(Open = Linuxというイメージの名称なんでしょうね)。
 ビルであれば、この権利を持たない代わりに、自分のところのアクセスポイントからの収益の50パーセントを受け取ることができる(じゃ、こっちはビル・ゲイツか…。「請求書」ともかけているのかもしれない)。

 ちなみに、メンバー以外(エイリアンと呼ばれる)がFONのネットワークにアクセスする料金は一日3ドル(基本的にはこれがFON社の収益になるんでしょう)。
 日本では今のところビルにはなれないが、よほどアクセスのいいところに住んでいないと、当面ビルになるメリットはなさそうな感じ。

 La Foneraはごらんの通り、iPodサイズで、じゃまにはならないので、みなさまもお一ついかがでしょう?
 特に、まだ無線ルーターを持っていない人は、送料等込みで3000円(ツクモで買うとカードで払えるので、公式サイトから買うより代引き分お得)で手に入れられると思えば、かなりお買い得なのではないか(とりあえずばらまいておいて、アクセス料で収益を、ということなのでしょう)。
 ちなみに、設定自体は非常に簡単で、15分もあればできてしまう感じ。
 対応OSなどの情報が明記されていませんが、基本的な設定はブラウザから済ませられるので、Macユーザーでも問題なし。

 LaFoneraの設定はごく簡単ですが、ドキュメントがあまりよろしくないので、こういうのが苦手な人はネット上の勝手連によるサポートサイトが充実するまで待った方がいいかも。
 (すでにWikiはあるけど、情報が十分とは言えない。今のところ、ツクモの解説が一番詳しいかも)

 無線の回線は自分専用の不可視のものと、公開用と二つ用意され、公開用の帯域は自分の作業のじゃまにならない程度の速度に制限できるので、安心感は高い。
 ただ、逆に言えば外でFONのアクセスポイントがあったとしても、あまり早くない可能性が高いと言うことである。
 ちなみに初期設定は512kb。
 ヨーロッパにおいて「ブロードバンド」と称されているものの速度を考えると致し方ないのかもしれないが、日本的にはかなりストレスを感じる速度だと思う(FlickrへのアップロードやYouTubeなんかを考えるとけっこう厳しいかも。っていうかSkype的にはFONの利用を推奨したいようであるが、512は十分という判断なのか?)。

 あと、他のユーザーが自分のルータに最初にアクセスしたときの(料金を払ったりパスワードを入れたりする)画面もカスタマイズできて、自分のブログやFlickr、Google Videoを指定できるらしい。
 しかし、これはともすると個人情報と位置情報を結びつける(あるいは逆に位置情報からネット上の個人を特定する)可能性が出てくるわけで、Flickrあたりに子どもの写真をガンガンのっける台湾あたりでは兎も角、日本ではけっこう厳しそうな機能である。

 やや怪しいウェブのインターフェイスや、いい加減そうな情報管理(たとえば本当に地図に表示されたところにルーターが設置されているのかは、今のところ確認のすべがなく、基本的にいろいろなことがユーザーの善意に基づいている)など、問題はいろいろ出てきそうですが、面白い試みなのは間違いがない。
 「ラスト1マイル」はオープンソースで、というのは誰でも考えそうであるが、これをグローバルにやっちゃうというのはすごい…っていうか、こういう事業にちゃんと出資者がいるのがすごいと思う(日本でも公衆無線LAN用のルータを提供するサービスはあるけど、オーナーは基本的には事業者のみだし、ルータの値段も10倍以上である)。
 がんばって欲しいところです。
 あとはこれを禁止するプロバイダーが出てこないといいな、と(規約上難しいところもあるようですが、そのへんはどうなっていくのか? 多くのプロバイダーは「黙認」という形になりそうですが、Exciteなどは積極的に推奨している模様。そういう情報の共有も必要ですね)。


P.S.
 Mixiでの情報ではすでに某So-netのサポートはユーザーからの電話に否定的な回答を返しているらしい。PSPとかMyloとかを出している企業グループの一員としてその認識はちょと間違いなんじゃないだろうか…。

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