Flickrにアップしてある写真の利用許諾について

 最近、Flickrにアップしてある写真を使わせてくれと言う要請が多いです(主に海外から)。
 まぁ、大体は断りがないのですが(ライセンス形式を考えれば勿論、それは正しい)、一部に使っていいか判断がつかないので決めて欲しい、というメールもいただくようになりました。

 そこで、一応、利用ポリシーについてご説明したいと思います。
 まず、ほとんどの写真のライセンスとして、クリエイティヴ・コモンズの表示 - 非営利 - 継承が採用されています。
 そうでないものは肖像権など、そのほかの権利問題をクリアできない可能性が高いものですので、原則として流用は許可できないと思ってください(ほとんどないはずですが)。

 基本ルールは明確だと思うのですが、


あなたは以下の条件に従う場合に限り、自由に
 本作品を複製、頒布、展示、実演することができます。
 二次的著作物を作成することができます。

あなたの従うべき条件は以下の通りです。
 表示. あなたは原著作者のクレジットを表示しなければなりません。
 非営利. あなたはこの作品を営利目的で利用してはなりません。
 継承. もしあなたがこの作品を改変、変形または加工した場合、あなたはその結果生じた作品をこの作品と同一の許諾条件の下でのみ頒布することができます。

 再利用や頒布にあたっては、この作品の使用許諾条件を他の人々に明らかにしなければなりません。
 著作[権]者から許可を得ると、これらの条件は適用されません。
 Nothing in this license impairs or restricts the author's moral rights.


 …ということであります。

 これは、研究目的と言うことで出かけており、現地の団体などにもお世話になって撮れている写真(例えばプラチマダのコカコーラ工場に対する抗議活動の写真などは現地の住民の方やケララ州で新聞を発行しているMathrubhumi(マトルブーミ)社の無償のご助力が合ってのものである)であるという事情から、なるべく皆さんに利用してもらった方が、そういった人々の利益にもかなうのではないかと思っているからです。

 ただ、写真家やフォトジャーナリストなど、こういう写真を撮影することで生活している方も当然いるわけで(友人にもいるわけですし)、そのあたりにも配慮したい。
 そのへんのバランスを考えて、非営利活動にはご自由にお使いください、営利活動に関しては、コンテンツの生産にかかる費用の幾ばくかを負担して頂きたいと思います、ということにさせていただきます。
 ただ、そういう事情なんで、ライセンスの適応条件はそれなりに緩く考えて頂いていいと思います。
 また、ライセンス料をいただいた場合でも、研究や社会運動など、公的な利益にかなう方向での使わせて頂きます(もし、私に払うのが信用ならないと言うことであれば赤十字やオックスファムなどのよく知られた公益団体を指定させて頂きますので、そこに寄付の上、そのレシートをライセンス料代わりに送って頂くという方法も考えられるかも知れません)。

 まず、なにを持って非営利と判断するかという問題がありますが、日本国内の場合、NPO法人(特定非営利活動法人)の活動がモデルになるかと思います。
 つまり、団体の規約などで公益性のための活動を主として行うと明示されており、会計がある程度公開されていて、出資者への配当が行われていないことが(少なくとも日本における)NPOの基本コンセプトなので、それに該当する団体には自由に使って頂いて構わないと言うことになります。
 法人格を取得していない場合でも、上記に類する活動を行っている任意団体や個人も、その配布物やウェブサイトで自由に写真をお使いください。
 財団法人や政党など、いちおう非営利で公益性の高い団体に関しては、お金を持っているようなところはタダにしたくないというホンネはあるのですが、まぁ、そこは論理的に区別が出来るところではないので、原則としてどうぞ、ということにしたいと思います。

 また(主として海外から)「コンテンツを載せるのは企業が経営しているサイトだけど、自分はお金をもらっていないヴォランティアなのでどうか?」という問い合わせを受けることがあります。
 これに関しては、コンテンツの作成目的がポイントかと思っています。
 つまり、コンテンツが公共的にシェアされるものであるか、その所有者(企業ないしコンテンツの作成者)に帰属するものか、というところで営利非営利を判断します。

 クリエイティヴ・コモンズのが要求していることは「表示 - 非営利 - 継承」ライセンスから派生したコンテンツは「表示 - 非営利 - 継承」を「継承」しなければいけないということですが、ここではそのほかのコピーレフト・ライセンスを利用することも認めたいと思っています。
 例えば、Wikipediaへの投稿に使われた場合、GFDL (GNU Free Documentation License)が適応されるかと思いますが、これも上記要求を満たしていると考えて差し支えないと思います。

the Licencing Flow Chart for My Photos on Flickr (In Japanese)

 したがって、第3項「この作品と同一の許諾条件の下でのみ頒布することができます」が満たされていれば第2項「営利目的で利用してはなりません」も満たしていると判断し、第3項を満たしていない場合でも、コンテンツを所有する団体の活動綱領しだいでは非営利だと判断される、と考えます(右図を参照してください)。

 なお、「原著作者のクレジットを表示」という条件に関しては努力目標で構いません。
 基本的には取得源のURLを明示して頂きたいですが、ポスター等に利用する場合で、デザインに制約がある場合は表示がなくても構いません。

 ちなみに、これはもちろんクリエイティヴ・コモンズの非営利 - 継承ライセンスすべてに当てはまる考え方ではなく、私が自分のコンテンツに関してこういった枠組みで考える、ということであることにご注意ください。
 あと、Flickrの標準機能である"Blog"ボタンからブログを書いて、そのさいに生成されるHTMLファイルを後で改変しないという使い方はFlickrとして「引用の範疇」と判断しているのだと思いますので、それを尊重したいと思います。

 ちなみに、これまで使われていた事例は検索で引っかかっただけで以下のような感じ。
 全部がガイドラインに従っているとは言い難い気もしますが、まぁ、細かいところは気にしないと言うことで…。
 あと、ケララのスイートミート・ストリート関連の写真については事情が事情ですから、媒体の性質にかかわらず許可させて頂きました。

 its just great: Karachi, Pakistan and Urdu

 Destination India: Kozhikode (Calicut), Kerala

 Maddy's ramblings: Oh! our beloved SM street

 skepsi: Calicut Memories - 2

 El Morrocotudo - El diario nuestro de cada dia.

 China Provokes Debate in Africa | World Social Forum
 
 A, Brabant, Holanda - Fotos: A Holiday @ Amsertam, Netherlands - glosk ※これは一種の検索エンジンということなのか?

 SONDERAUSGABE 05(PDF 6ページ目の写真)

 Kissael臺met Felidae

 Sujets de recherche - Master TiM

 Coca-cola fa qualche passo indietro... nella giusta direzione! Solidarieta Impegno

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このページは、かすががAugust 9, 2007 9:32 PMに書いたブログ記事です。

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