「小泉内閣支持層はIQが低い?」
日刊ベリタの「小泉政治のシナリオ暴露 狙いは『IQ低い層』 企画書のコピーを入手」という記事が気になっていたのですが購読料払ってないので読めません。
で、その後、どうも震源地は民主党の衆議院議員中村てつじ氏(奈良二区)のメールマガジン「国会からの手紙」であるらしいと気が付いた。
氏のメルマガは以下で全文が読める。
・郵政民営化担当大臣(竹中平蔵)の疑惑
http://tetsu-chan.com/tegami/220_gou.htm
・第221号 郵政 >> 小泉内閣支持層はIQが低い?
http://tetsu-chan.com/tegami/221_gou.htm
要するに、内閣官房発行のパンフレット『郵政民営化ってそうだったんだ通信』の企画書を中村てつじ氏が入手したのだが、そのなかに宣伝のターゲットとして「IQが低く、具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する主婦、子ども、シルバー層」をターゲットにすべき、と書かれていたのだという(図参照)。
ちなみにタケナカくんの考える「具体的なことはわからない」人にわかりやすいパンフレットはこちら↓
http://www.gov-online.go.jp/week/theme/yuusei_mineika_2.html
この企画書自体けっこういい加減な代物で、政府の仕事ってのはこの程度で受注できちゃうのかっていうような感じのものである。
だいたいここで使われているIQという略号が、一般に使われている「知能指数」のことなのかも判然としない(まさか流出を警戒して明示しなかったってわけでもないだろう)し、もしそうだとしたら「IQの定義が判っているのか?」と突っ込みたくなるところだ(あと、個人的には「IQ」という概念まったく意味がないとは言わないが、あまりにも多くの幻想が付与されてしまっているので、社会的、政治的な議論をするときに持ち出すのは有害無益だと思う)。
ちなみにEQとあるのは"Economic Quotient"の略だそうで(わたしゃそんな言葉があるのも今日初めて知りましたが)1970年代のアメリカはフォード政権によって使われた言葉で、EQクイズコンテストやEQ向上セミナーが行われて、金融構造改革の促進やファイナンシャル・プランナーの急拡大(←ママ)に貢献したのだそうな(ホントかいな?? いずれにしてもろくなもんじゃないな)。
いずれにしても失礼な話だし、なにより小泉政権のポピュリズム的側面を如実に表した話で、マスコミがもっと問題にしないのが解せない話である(政府からの圧力を恐れていると言うより、報道することによる視聴者の反発を恐れているような気がするが…だとするとそれはそれで失礼な話しのような気もする)。
ただ、その点は置くとしてちょっと気になったのが上図に見られる「内閣による非公式な政治情勢認識」である。
第一象限の人々(勝ち組!!)は構造改革にはポジティヴだが、「これまで(道路等)の結果からNegative」。
第二象限の人々は「構造改革抵抗守旧派」。
第三、第四象限は「既に(失業等の痛みにより、)構造改革に恐怖を覚えている層」と「もっと違うことに力を入れて欲しい」と思っている「具体的なことはわからない」層で形成されている。
…四面楚歌じゃん。
もちろん、「たとえ民衆に嫌われてもその国の未来のためになる選択肢を選ぶのだ」という決意があるなら立派だけど、その場合は、その事実を納得させやすい第一象限を最初の宣伝対照に選ぶよね。
内閣自体が、「道路等」と今回の郵政改革がたぶん同じ結果に終わると思っているということでいいんですかね?
【追記 7月19日 18:30】
allabout.co.jpでは「郵政民営化をめざす小泉首相に「逆風」となるか? 郵政スリード社・ゲート疑惑とは」という記事が削除された模様。
事件全体が問題だって言うのはわかるんだが、どこがどう問題になるから削除対照になるんだろ???
今のところGoogle Cacheで3ページ中1ページのみ確認できる。
http://66.102.7.104/search?q=cache:allabout.co.jp/career/politicsabc/closeup/CU20050706A/
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