実はドラァグ・クィーンに憧れてました
知り合いの研究成果が毎日新聞に載ってた。最近、毎日は科学ネタに積極的でありがたいです。
クジャクのメスが交尾相手のオスを選ぶポイントはきらびやかな飾り羽ではなく、鳴き声だったことが東京大大学院総合文化研究科の高橋麻理子特任研究員(28)らの研究で明らかになった。91年に英国の研究グループが発表した「飾り羽の目玉模様の数が多いオスほどもてる」とする説が定説となっていたが、これを覆す結果だ。
伊東市の伊豆シャボテン公園のインドクジャクを観察した結果、あの飾り羽と交尾やなわばりのサイズに関係はいっさいなかったらしい。で、
02年からは繁殖期特有の「ケオーン」「カー」という2種類の鳴き声に着目し、オス17羽の鳴き声と交尾行動の相関を調べた。その結果、「ケオーン」「カー」の音節が5回以上続くオスが高い確率で交尾に成功していることが分かった。また、5音節以上連続して鳴くオスほど、男性ホルモンのテストステロン濃度が高かった。
高橋さんは「『美しい羽のオスがもてる』というのが神話のように言われてきたが、意外な結果だった。オスは見ていて痛ましくなるほど鳴く。今後はなぜ鳴き声と交尾行動が結びついているのかというメカニズムを解明したい」と意気込んでいる。
テストステロン濃度が高いと欲求不満が高まってより長く鳴く、ってなオチだったらギャグですな。それにしても、世界にはまだまだ判らないことがたくさんあります。
ところで長谷川寿一教授のコメント。「飾り羽は成熟したオスであることを示す最低条件に過ぎないのではないか」。 …ちょっとこらまてやぁおい!! 最低条件が異常発達したらセオリーに反するでしょうが。ハンディキャップ原理のもっとも明確な事例と思われていたクジャクの性選択で、実はハンディキャップ原理があまり効いていなかった、というのがこの研究の一番面白いところなんでしょうが。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 実はドラァグ・クィーンに憧れてました
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://talktank.net/mtype/mt-tb.cgi/89
コメントする