ウゴ・チャベス(ベネズエラ大統領)、アメリカ合衆国の貧困層への石油援助などを表明

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Originally uploaded by KASUGA, Sho.
 日本であまりニュースになっていないネタなので、アメリカのラジオネットNPRの番組、"Democracy Now!"でのインタビュー(MP3ファイルが提供されています)を要点だけ訳出。
 やっつけ仕事なので、間違いがあったらごめんなさい(元がインタビューなので、数字はもともとややいい加減です)。
 できればチャベスについての解説とかもつけたかったところですが、それをしていると記事をアップするタイミングを逃しそうなので、とりあえずアップしてしまいます。

 ちなみに写真は世界社会フォーラムで講演するチャベス。


・2002年の暗殺未遂はワシントンに指令されたものだと判っている。
・詳細はEva Golingerの"Chavez Code"に詳しい。
・ハリケーンの被害にたいして、ベネズエラは500万ドル(5億6千万円)を提供すると申し出、キューバは医師を派遣すると言ったが、被災地域に近づく許可は出なかった。
・(チャベスを暗殺すべきだと発言したテレビ伝道師の)パット・ロバートソンは孤立しているわけではなくて、ブッシュの側近たちの意志を伝達したのだろう。
・我々が子どもの頃は、母なる土地とはスペインのことだと言われてきた。しかし、実際はいくつかの「母なる土地」を持っている。そのもっとも偉大な一つは疑いなくアフリカである。
・我々は毎日自分たちのルーツがアフリカであることに自覚的になっているが、同様にアメリカも「母なる土地」だろう。
・(シモン)ボリバルが言っていたように、我々ラテンアメリカ人は、ヨーロッパ人でも、アフリカ人でも、北アメリカ人でもない、これらをミックスした新しい人種なのだ。
・しかし、アフリカについて考えることは(アフリカの置かれた現状を考えれば)大きな苦痛でもある。

・モザンビークの大統領と会談したが、平均余命はわずか38歳であり、さらに低下し続けている。親や医師たちが死んでいくことにより、エイズ過と孤児の問題はますます悪化しており、100万個のカタリーナが国を襲っているかのようだ。

・我々はベネズエラで「アフリカのためのアジェンダ」をデザインし、それをブラジルのルラ大統領ら南アメリカのリーダーたちと共有しようとしている。

・我々は世界を揺さぶる必要がある。世界の軍事費の10パーセントが削減できれば、それで無数の命が救える。

・ベネズエラでは貧困層のための食糧支援プログラムが実施されており、1500万人に食料が供給されている。ほとんどの人には食料は無償で提供され、支払い能力がある場合は食料費の50パーセントを支払う(※ベネズエラの人口は約2500万人)。

・人種差別は帝国主義の特徴であり、私への憎悪も私の大きなmouth(唇?)

とカーリーヘアへの人種差別を伴っている。

・しかし、私は自分のこうした身体的特徴に誇りを持っており、新しい倫理が必要だと考えている。

・また、経済と政治の領域では、人種差別のような険呑な現象を打破するために、人々の意志と参加とともに、我々は社会主義の旗の元に戻る必要がある。

・2000年から、特にカリブおよび中米諸国と、カラカス・エネルギー協定などの協力体制をスタートさせた。この協定には、ジャマイカ、ニカラグア、グレナダなどの国々に加えて、史上初めてキューバが加わった。

・このメカニズムには石油と石油製品を25パーセント割引で販売するという取り決めも含まれている。25パーセントはベネズエラから各国への寄付ということになる。

・しかし、現在石油価格は上昇を続けていて、カラカス協定が発足した頃は1バレル20〜25ドル程度だったものが、現在は40ドルを越え、50ドルを超え、下げ止まる様子を見せない。石油需要は拡大していて、生成能力は限られている。

・コンシューマリズムは耐え難い状況にある。アメリカは世界のわずか5パーセントの人口で、25パーセントの石油を消費している。地球はこの状況に耐えられないだろう。

・バレル50ドルを越えたとき、我々はCaricom(カリブ共同体)やカリブの小国とともに、ベトロカリブ社を立ち上げた。

・これら小国に仕入れ値の倍で石油を売りつける多国籍企業の投機的な取引を回避するために、我々はこの会社を使って、カリブ諸国に石油を直販している。

・我々は輸送費も要求して折らず、また価格も25パーセントではなく、40パーセントの値引きで提供し、これらの代金は2年の猶予期間を持った年利1パーセントの25年返済で支払われる。したがって、我々はおよそ70パーセント引きの値段で石油を提供していると言ってもいい。

・ベネズエラは現在、20万バレルの石油(※一年あたりとすれば少なすぎるので、たぶんチャベスか通訳か、どちらかがなにか勘違いしている)をカリブ、中南米地域に供給しており、計算するならばGDPの1.5パーセントをこのために費やしていることになる。来年の融資額は、年間17億ドルという計算になるだろう。

・我々は、アメリカ合衆国の11パーセントにも上るという推計もある貧困層にも、同様の援助を行おうと考えている。

・ベネズエラの石油企業CITGOは、全米に1万4000のガソリンスタンドと8カ所の精製所などを所有している。これらのインフラを利用してプログラムを進めるよう、CITGO社長に指示を出した。

・我々は一日80万バレルの石油をアメリカ合衆国内で精製しているが、この10パーセントをいくつかの形で貧困層に提供したいと考えている。

・我々はシカゴで実験的なプログラムを開始しており、地域のパートナーやコミュニティに暖房用の石油を供給しようとしてる。また、ラ・ヴィリタというシカゴ近郊の人口90万人ほどのメキシコ人地区のスクールバスのための燃料も提供している。10月14日から、これらのプログラムが正式に発足するし、11月にはボストンとニューヨークでも同様のプログラムが展開される。




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このページは、mojoがSeptember 24, 2005 10:21 PMに書いたブログ記事です。

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