川田龍平氏、参院選に出馬

 個人的な友人でもある川田龍平君が次回の参議院選挙に立候補するということがニュースになっています。

 個人的には前々からその意向を聞いていたのですが、本当はもう少し後に発表するつもりだと思っていました。
 まぁ、どっかからばれてしまったなら仕方ない、というところなんでしょう。
 なので、彼自身の公式サイトブログにも発表がないという事態。

 川田氏は、僕より上の世代だと、日本中を騒がせた薬害エイズ問題で知らぬ人はないという感じですが、大学生ぐらいだと知らない人も少なくないのが実情のようです。
 彼が親子連れと会うと、母親が「あなた、川田君よねぇ。大きくなったわねぇ」とかはしゃいでいて、子どものほうが「…誰?」みたいな不審そうな顔でその様子を見ているのがちょっと面白い。
 しかし、選挙という意味では、ワン・イッシュー候補ではもはや通用しないと言うことなんでしょう。

 で、幸いなことに、彼は(少なくとも友人として見る感じでは)わりと柔軟な思考の持ち主だし、いろんな問題を対局から見られる政治家になれるんじゃないかと思っています。

 日本の左派の問題として、英ブレア政権の「ニューレイバー」に代表される経済政策の「現実路線」も取れない一方で、フランスのシュヴェヌマン派やらベネズエラのチャベスやらに代表される「オルタグローバル」路線にも感度が鈍い、冷戦構造をそのまま引きずった旧態依然っぷりがあるでしょう。
 その点、私が彼と出会うきっかけになったのは、オルタグローバル運動の大集会である社会フォーラム関連の集会でのことでして(たしか、2002年にインド・ハイデラバードで行われたアジア社会フォーラムの報告会だったと思う)、まぁ、そういうところに出てくる意志というか、感性のある人なんだと評価しているわけです。

 ちなみに、彼としては「過激派の集まりだったらどうしよう」と不安でもあったらしく、わりとおっかなびくりやってきたようです(笑)。
 もちろん、2ちゃんねるで話題になるほど、日本の左翼が団結しているわけではない…っていうか、分裂と内ゲバが左翼の習性なので、別にお互いよく知っているというわけでもないし、こういうのは蓋を開けてみるまでどんな人間が来るか、解らないのです(まぁ、2ちゃんねるで妄想されているような大組織があったらとっくに「革命」が起こっているわけで…)。
 私も別になんらかの左翼組織に属していたわけでもなく、社会運動に積極的に関与するようになったのは2001年にヴァンダナ・シヴァの活動に接したのがきっかけなので、「業界」(笑)にそんなに詳しいわけではないのですが…。

 その後、翌年のムンバイ(インド)で行われた第四回世界社会フォーラムに一緒に行ったりして、割と断続的につきあいが続いているわけです。

 選挙前にいいのかよ、という気もしますが、実は今月末にナイロビで行われる第7回世界社会フォーラムにも彼と一緒に行ってくる予定だったりします(これについてはまたこのブログでも報告させて頂きます)。
 多くの方がご存じの通り、アフリカのエイズ問題は現代社会を象徴するような問題ですから、彼としてもこの機会は見逃したくないのでしょう。
 彼の選挙に関与しているわけではないので、その間のマスコミ対応なんかがどうなってるのか知りませんが…(笑。

 そんなわけで、これまでもそれなりに議論をする時間もあったわけですが、憲法問題をのぞけば意見の齟齬は感じないので、是非当選していただきたいと思っています。
 まぁ、朝日の記事「東京HIV訴訟元原告の川田龍平氏、参院選出馬へ」では彼は

 立候補の理由について「教育基本法が改正され、憲法も、という不安が増した。いのちや人権を守る憲法があったからこそ訴訟で国を相手に闘えた。今こそ憲法を守りたい」と話している

 と述べたと伝えられていて、憲法こそが最大の争点ということになっているのかもしれませんが、願わくばそういった戦後・冷戦構造の残余の問題だけではなく、グローバル化の問題に切り込むオルタグローバルな政治家として活躍して頂きたいところです。

【追記】(2007.01.13)
 昨日、出馬表明の正式な記者会見があったようです。ブログも更新されています。
 川田龍平を応援する会(準備会) ホームページも出来ていたり…。
 そのあと行われたパーティには出席して、「決意」を聞いてきました。
 そのあたりについてはまた機会があれば後日…。

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このページは、かすががJanuary 7, 2007 11:54 PMに書いたブログ記事です。

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