ワークショップ「国の科学技術・イノベーション戦略と学協会の役割〜日本型研究・政策コミュニティの形成に向けて」

 明日はSTS学会(など)のワークショップ「国の科学技術・イノベーション戦略と学協会の役割〜日本型研究・政策コミュニティの形成に向けて」での発表で東京です。

【ワークショップ開催のご案内】

学会共同ワークショップ「国の科学技術・イノベーション戦略と学協会の役割
〜日本型研究・政策コミュニティの形成に向けて」

https://www.iftech.or.jp/sym0317/

■日時: 2009年3月17日(火)9:30〜18:30
■会場: 政策研究大学院大学 想海樓ホール
 〒106-8677 東京都港区六本木7-22-1
 http://www.grips.ac.jp/jp/about/access.html

■主催: 学会合同ワークショップ実行委員会
■共催: 研究・技術計画学会、科学技術社会論学会
■協力: 内閣府経済社会総合研究所
■後援: NPO法人サイエンス・コミュニケーション
■企画協力: 財団法人未来工学研究所
■実行委員会:
 委員長 平澤泠(東京大学名誉教授/研究・技術計画学会顧問)
 委 員 城山英明(東京大学)、平川秀幸(大阪大学/科学技術社会論学会理事)、
    小林直人(産業技術総合研究所/研究・技術計画学会研究評価分科会幹事)、
    隅蔵康一(政策研究大学院大学/研究・技術計画学会理事)

■開催趣旨

近年、国際競争力の強化や社会の持続、国民的課題の実現等を企図するイノベーション戦略が各国において相次いで打ち出され、その戦略や政策策定に資する政策研究に注目が集まっている。EUではProInnoと呼ばれるイニシアティブのもと、政策分析に基づいたイノベーション政策の開発・改善を目指す知見集積や相互学習のための枠組みが構築され、米国では、マーバーガーOSTP長官の発議のもと、「科学・イノベーション政策のための科学」の振興に政府を挙げて取り組んでいる。

こうした状況は、各国で要請が高まっている「根拠に基づく政策形成」(evidence-based policy making)の理念を反映したものである。そこでは、根拠となる情報や知識を生産するため、政策研究者と行政官などの政策実務者が討議し、知識交流を深める場として学協会や研究・政策コミュニティの活動が大きく寄与している。中には大学の科学研究者や企業の技術者など幅広い関係者を交えているところもあり、多彩で影響力のある活動が広がりを見せ始めている。

わが国においても、2025年までを視野に入れたイノベーション創造のための長期的戦略指針「イノベーション25」(2007年6月1日閣議決定)において政策研究重視の方針が打ち出されており、これに基づく実効性のある政策策定が期待されているところである。また、最近では、第4期科学技術基本計画の策定に向けてフォローアップ調査やイシューの明確化、鍵となるテーマの探索が開始され、今後数年間の科学技術・イノベーション政策の方向性を展望する重要な論議が活発化しつつある。

そこで、これらの議論に寄与すべく、日本を代表する科学技術・イノベーション政策関連学会である研究・技術計画学会および科学技術社会論学会の共同で、科学技術・イノベーション戦略に係る日本の課題を多様な側面から分析・検証し、具体的な提言を行うためのワークショップを開催する。また、本ワークショップにおいて、実際に政策研究者と政策実務者、科学者・技術者との知識交流を促進し、今後の交流の定着化を図ることで、日本型研究・政策コミュニティの形成に向けた一つの足がかりとしたい。

■プログラム(敬称略)

【9時30分〜10時00分】
セッション1:問題提起−科学技術基本計画を戦略論の観点から考える

講演: 平澤 泠 (実行委員長)

本ワークショップ実行委員長である平澤泠東京大学名誉教授が、わが国の国民的課題を踏まえた戦略論の観点から科学技術基本計画の位置づけやフレームを巡る議論を展開し、オープニングとする。

【10時00分〜12時30分】
セッション2:科学技術・イノベーション戦略に係る日本の課題(1)−政策課題に着目して

これまでの科学技術基本計画では、研究開発の推進、科学技術関係人材の養成・確保、科学技術振興のための基盤の強化、イノベーションの強化、研究開発投資、国際化、科学技術と社会、研究開発評価、行政府のあり方などについて方針が示されてきた。本セッションでは、これらの枠組みにとらわれることなく、また、"科学技術"周りの話題に限定することなく、国の科学技術・イノベーション戦略との関連でとりあげるにふさわしい国民的課題について、学際的でマクロな視点から論ずる6点の講演を行う。講演は、招待講演に加え、研究・技術計画学会、科学技術社会論学会およびその他の団体からの応募の中から選定した。

講演者:

「人口減少社会における科学技術(仮題)」
松谷明彦 (政策研究大学院大学 教授)
「エネルギーシステム転換に必要な社会的政策課題(仮題)」
茂木源人 (東京大学 教授)
「都市・環境部門における『参加』と『まちづくり』のディスコース」
松浦正浩 (東京大学 特任准教授)
「地域イノベーション(仮題)」
内藤哲雄 (海洋研究開発機構 地球環境フロンティア研究センター センター長補佐)
「新領域育成・振興と研究者のキャリアパス設計(仮題)」
隅蔵康一 (政策研究大学院大学 准教授)
「ネオリベラル状況下の大学!?〜失われた10年のディスコミュニケーションと価値創造産業」
春日 匠 (大阪大学コミュニケーションデザイン・センター 特任助教)
【13時30分〜15時30分】
セッション3:科学技術・イノベーション戦略に係る日本の課題(2)−政策過程及び知識利用に着目して

本セッションでは、国の科学技術・イノベーション戦略の策定プロセス及びそこでの望ましい知識利用のあり方について議論する。具体的には、過去の科学技術基本計画の策定プロセスやそこで政策研究(者)が果たした役割についての分析・提起を行うほか、政策研究方法論のあり方、科学者・技術者、意思決定者、政策研究者が知識交流を行う場のあり方等について検討する。これらについて5点の講演を行う。2点は内閣府経済社会総合研究所委託事業「イノベーション政策及び政策分析手法に関する国際共同研究」の「政策及び政策分析研究会」が担当する。残りの3点の講演は、招待講演に加え、研究・技術計画学会、科学技術社会論学会およびその他の団体からの応募の中から選定した。

講演者:

「科学技術外交・アジア戦略(仮題)」
角南 篤 (政策研究大学院大学 准教授)
「みんなで育てる未来の科学〜第4期基本計画に向けて〜」
横山雅俊 (サイエンス・コミュニケーション)
「科学技術基本計画策定における知識利用・交流と政策分析」
吉澤 剛 (東京大学 特任研究員)
「日本における研究・政策コミュニティ:審議会及び学協会におけるアクターに着目して(仮題)」
鎗目 雅 (東京大学 准教授)
「科学技術・イノベーション政策課題への対応に向けて: 国際比較分析からの良好な提言や示唆の獲得」
伊地知寛博 (成城大学 教授)
【16時00分〜18時30分】
クロージング・セッション:戦略形成と学協会の役割

司会: 平澤 泠

登壇予定者: 相澤益男(総合科学技術会議議員)、城山英明(東京大学教授)、武田康嗣(研究・技術計画学会会長)、平川秀幸(大阪大学准教授)

平澤泠実行委員長がこれまでのセッションにおける議論を簡単に総括する。その後、平澤実行委員長の司会進行により、相澤益男総合科学技術会議議員、武田康嗣研究・技術計画学会会長、城山英明東京大学教授、平川秀幸大阪大学准教授(科学技術社会論学会理事)を交えたパネルディスカッションに移る。そこでは、科学技術基本計画策定を例にわが国の科学技術の戦略形成のあり方を展望するとともに、研究・技術計画学会や科学技術社会論学会などの社会科学系学協会や、自然科学系学協会が戦略形成にいかに関与することができるかについて幅広い議論を行う。

【18時40分〜20時00分】 エキストラ・セッション(5階講義室L)

科学技術政策研究者や科学技術社会論研究者、意思決定者や科学者・技術者といったワークショップの全参加者が互いに交流し、今後に向けた具体的な方策を探るため、クロージング後にインフォーマルな議論を行う場を設ける。具体的にはディスカッションルームの壁付近に複数のホワイトボードに配置し、クロージング・セッションにて提起されたテーマを中心に関心のある者が集まってアイデアを自由に書き込むブレインストーミング形式とする。本セッションのみの参加者も歓迎する。

■参加お申し込み先

以下のウェブサイトからお申し込み下さい。
https://www.iftech.or.jp/sym0317/

学会共同ワークショップ実行委員会事務局 
未来工学研究所政策科学研究センター (担当:田原)
k.tahara[@]iftech.or.jp ※スパム対策のため、@の前後に[ ]を入れています。
03-5245-1205(直通)

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このページは、かすががMarch 16, 2009 4:03 PMに書いたブログ記事です。

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