日本の国会議員数は多すぎる、というのはたぶん嘘

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各国の人口10万人あたりの国会議員数(人)

 赤旗の「民意(比例定数)削ってカネ(政党助成)温存/自民・民主競い合う」という記事に、趣旨は賛成ながら図表のヨーロッパ中心主義っぷりが気にくわなかったので、拡張。

  適当に各大陸から2カ国ぐらいずつ、調査してみました。
 人口と議員定数はすべてWikipediaから(なので、赤旗と若干数字が違う場合がありますが、まぁ、誤差の範囲でしょう)。
 
 あと、国を増やした理由として、政治的な土壌の違いで、すこし差が出るかと思ったからなんですが、これはあまり成功していない感じ…。
 (たとえば、アングロ・サクソン系は少ないのではないか、というような…)

 「アメリカは連邦制だから国会の人数が少なくなる」仮説も検証するために、州議会の人数も確認。
 比較したのは、人口最大のカリフォルニアと、最小のワイオミング、それに中位(上から26番目)のケンタッキー。
 同様に、インドについても、人口最大のU.P.州と、最小のシッキム州、中位のパンジャブ州を比較してみました。

 とりあえず言えるのは
・議員数と人口に比例関係はない
・日本の国会議員は、人口比で見て多いとは言えない
 (じゃ、少ないかというと、そこは価値観の問題だとしか言えない)
・大国は比が小さくなる傾向はある(1000人以上集まって「議論」というのも現実的ではないということだろう)
・逆に、国会で100人以下というところもあまりなさそうである(これはコスタリカが例外であるが、あまり小さな国を調べていないので、もしかするとけっこう多いのかも…)
・アメリカの各州議会も、上下両院あわせて100前後ぐらいというのが相場らしい

 …っていうか、何人ぐらいの国会議員が必要かというのは、世襲制もそうなんですが、どういう国作りをしたくて、そのためにどういう討議システムを採用するかという哲学の問題なんだな。
 そこなしに、「アメリカより多い」みたいな議論になってしまうのが日本の政治風土の貧困か…。

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このページは、かすがが2009年5月28日 02:08に書いたブログ記事です。

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